『太陽光電力 事業用も買取の対象へ』

MARKET INFORMATION

【経済産業省の新制度発表】

昨年11月より開始された「太陽光発電買取制度」の対象が住宅以外にも拡大される。同制度は、各家庭に設置された太陽電池を使って作られた電力のうち自宅で使わないで余った電力を、電力会社に売ることができるようした制度である。経済産業省は、この新制度により対象を事業用まで拡大することで、エネルギー源の多様化を進めるだけでなく、温暖化対策や経済発展にも期待できるとしている。

新制度の買取の対象は、太陽光のほかには風力発電やバイオマス等も含まれる予定で、実施されれば、2,400万t~2,900万tのCO2の削減量が見込まれている。加えて、太陽光発電にかかる機器メーカー、施工会社、販売店等の新規のマーケット拡大にも期待がかかる。

【ビルの屋上や壁面が不動産の新しい収益源に】
   「伊藤忠商事」は東京都内にある本社ビル屋上などに国内最大級となる太陽光発電装置を設置した。 本社ビルなどに設置されたのは約1,000枚の太陽光発電パネルで、1時間あたり最大で100キロワット、住宅30軒分の電力をつくることができるという。このシステムで発電された電力は本社で使用され、これにより二酸化炭素(CO2)は年間で約48トンの削減効果が見込まれる。

また、京セラでは本社ビルの壁面に1,392枚、屋上に504枚の太陽電池モジュールを設置した。このシステムは、総出力214kW・年間発電電力31,472kWh(2005/04/01-2006/03/31実績)の能力を有しており、二酸化炭素排出量で年間96tのCO2の量に相当するという。

こうした太陽光発電の買取制度が本格的に実施された場合には、高い空室率に悩むビルオーナーにとっては経費を節約し、キャッシュフローを改善する要素になるかもしれない。前述した伊藤忠商事本社においては、太陽光発電により22階建てビルの約3.5フロア分の光熱費が節約されている実績がある。

また、NTT都市開発はアーバネット博多ビルの屋上に太陽光発電システムを設置して運用を始めた。年間発電量は約15メガ㍗になる見込みで、これは一般家庭の年間使用量の約3世帯分に相当する。ここで発生した電力を将来的には電気自動車充電スタンドなどが接続できる仕組みも考えている。単純な水光熱費削減でなく、会社PRや新たな事業を行う等の新規展開もプラニングよっては可能なようだ。

実施には法整備や太陽光発電パネルの設置コスト、従来の電力メーターとの関係など様々な問題をクリアしていく必要があるものの、今後の展開次第では従来まで利用する機会が殆ど見られなかったビル屋上部分や外壁が、新たな収入源を生み出すスペースとして活用できる可能性がある。
 
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『太陽光電力 事業用も買取の対象へ』